キャンセルとクレーム

キャンセルは貿易用語では、売買契約の取消しを意味します。戦後の混乱期には外国商人が邦商の外国商情に暗いのに乗じて、市価変動の損害を避けるため、ささいな事を口実にして既成契約を破棄することが行われ、この語が広く知られるようになりました。しかし不可抗力によって起こるキャンセルはとうぜん認め、許されるために適切な取消約款を売買契約に人れる必要があるがあります。
クレームは売買契約上の違反行為による損害に関し、売買当事者のあいだに起こる商事紛争の求償のことで。この賠償要求は、被害者である当事者から、責任のある相手方にたいして提起されるもので、これには、貿易の常態として起こる一般的なものと、不当な意図のもとに行われる擬装的ないし計画的クレームとがあります。前者は偶発的な不可抗的事情か、または若千の過失や怠慢により起こるもので、当事者間の妥協・調停・仲裁で解決されますが、後者は作為的に他方の契約遂行に支障をきたさせて起こす悪質のであるために、この契約上の不正行為は、戦後、滞日バイヤーによってしばしば起こされましたがそれはは非常時的なもので、貿易に常例のクレームではありません。

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