バーター制貿易

代金決済を省略して物品の売買を打う貿易方式で、正式には両国の間で、輸出額と輸入額とのバランスがとれるよう協定するものです。同額の輸出を与え同額の輸入を取ろところからギブアンドテーク貿易とも言います。これには商品議定書で個々の商品を示して、それらの売り値総額と買い値総額とを見合わせようとします。輸出と輸入とが相殺的に清算決済されるために、物の交流は行われますがお金の流れは起こらず、表面上は物々交換のように見えるためにバーターと呼ばれますが、事実は交換でなく売買契約による物品取引になります。
求債貿易は現行の管埋法をいうバーター制貿易方式の正しい名称です。日本での管理法では、原則として物々交換は認められませんが、昭和28年後半の国際収支悪化にともない、積極的輸出振興策としてこの求償協定による制度を活用することとなりました。求償貿易の対象となる相手国の地域や品目を、広い範囲に拡大し、その決済方法も同じ内客の輸出信用状と輸入信用状とを同時に開くバックトゥバック方式。第3者の特定銀行に委託するエスクロ方式、輸出先行の逆トーマス方式、輸入先行の逆トーマス方式などが採用されました。しかし甲外国へ輸出し、乙外国から輸入しそのまま両国間で相殺を行うような方式は記められていませんでした。

お金と貿易

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