関税

物品が国の経済的境界を通過する時に、それに課せられる租税を関税と言います。ここに経済的境界とは関税線で、これは政治的国境だけを意味しませんが、一般的にに関税といえば国境関税のことを示します。これには、輸出関税と輸入関税とがありますが、日本ではもっばら輸入貨物に課する輪入税のことです。また、貨物の重量や容積を標準として課する従量税と、それの価格を標準として課する従価税とがありますが、日本では、後者を主として前者を併用しています。
複関税とは一品目に対して二種または三種の税率をもつ関税制度のことで、国定による複率制度の典型的なものは最高最低税率制です。これは税目の全部あるいは一部において最高率と、最低率の二種類を定め原則として、通商条約のない国や、自国品に差別待遇を与える国には高率を適用し、自国品に対して税率の協定を承講し、互恵的待遇を許す国には低率を適用します。条約の束縛を受けない利があり、アメリカやフランスで採用されている。オーストラリア一品目に高率の一般税率、低率の中間税率、ポンド圏への特恵税率の三種類を定めた三重税率を採用していました。日本では、国産の生産物につき関税に関する最恵国待遇の便益を与えていない国から、その国の生産物が輸入された場合、一般関税の他に貨物の価格と同額以下の開税を謀しているために、この場合の指定貨物には複関税率が設定されています。

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