輸出補償・輸出権制度

外国の買手の支払不能や支払拒絶などによって、輸出入取引上に生じる損失を、国家が補償する制度が輸出補償制になります。輸出商の被る損害を償う信用保険の制度と、輸出者に金融した為替銀行の損失を償う融資補債の制度がありますが、日本では従来民間事業として輸出信用保険が行われていなかったために、昭和18年までは輸出補償法によって、両方を政府が捕償しました。大戦後は個人の営業損失を国家が補償することを不可とされて、一部に損害保険会社による輸出信用保険を採用し、政府に再保険させましたが、大抵は国営保険の制度をとっています。
輪出権制度とは相手国からの物資輸入者に対して、同国へ輸出する権利を与える制度です。貿易協定を結んでいる相手国に対する貿易が、引続き出超になるばその後の輸出が困難となります。このようなときにその輸出入のバランスを図るために、相手国からの物資輸入を行う者に対してその輸入額に応じて輸出する権利を与えようとします。それが、輸出権制度です。このような特殊国への輸出には輸出権のない者の輸出は認められないために、輸出業者は相当な輪出権プレミアムを出して、これを買取って輸出することとなります。成行きを放任すれば輸出不能となる貿易制限国との買易もこの制度によって可能となります。

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