輸入自動承認制

外貨予算制のもとでは、一定の地域から輸入する商品と総金額とをまず定め、その商品中の品目であれば、全体の金額の範囲内で為替銀行に申請すると、自動的にどれでも買入れることが認められました。これが従来のAA制度で、自由化のもっとも進んだ段階の輸入制度でした。しかし日本はIMF8条国へ移行したために為替制限はできなくなったために、外貨予算制度は廃止され、輸入に属する品目、外貨割当てによらず、数量割当てが原則となりました。そこで昭和39年より、AA物資については、為替銀行は、外貨予算の残額の有無につき、日本銀行に確かめる必要がなく、申請内容が形式的条件に合致すれば、即日自動的に承認されることとなりました。
輸入自動割当制はAIQ制度とよばれ、1964年4月のIMF8条国移行と同時に実施された輸入割当制です。AA制輪入品目のほかは、各関係物資の主務大臣の同意を得て定められた品目につき、通産大臣が輸入承認をするに先だち、その輸入割当てを受けることが必要とされていました。この制度では該当品目にはその輸入数量を、メーカーまたは商社に割当てます。原則的の数量割当てを行いそれが困難または不適当な場合にかぎり、特例的に価額で割当てられることとなります。IMF第8条は、為替の自由化を建前とするため、8条国では、国際収支の理由から為替制限を行うことができません。そのために外国為替予算をつくると予算面から輸入を制限すると言われ、すべてを外貨割当てにすると、為替面で貿易を制限しているとの口実を与えます。それでこの改正により、数量割当ての原則に変更したのでした。輸入品目の大部分はAA制により、AIQ品目は申請により該当品目と確認されれば、通産省の審査なしに自動的に数量割当てがなされます。そしてAIQ品目だけが、例外的な外貨の割当てが特認されます。

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